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初めて知る痴愛の味
第8章 私が感じるこの先の不安は
私は柏尾菜々
中学校で頑張って勉強し私の入りたかった高校に無事合格することができた
私立でありそこの先生にも両親の知り合いがいて、学力のレベルも高いということで勧められたのがこの高校を知るきっかけであった

でもこの高校に進学したいと思った一番の決め手は制服が可愛く、着てみたいと思ったからだ

「はぁ・・・」とため息を吐いてしまう

何故かと言えば入学したての頃は少しだけ入ったことに後悔していたからである
中学生の頃に仲の良かった友人がこの高校には一人もおらずただ寂しくて初めて高校の机に座って辺りを見回した時にはもう嫌になっていた


私のクラスの担任となったのは水品昭雄と言って30代位の男の先生だった
顔は整っていて頬が少しだけこけているが目がキリっとしていていかにも真面目そうな印象を受ける

私たちの前で先生は笑顔で話し掛ける
「皆さん初めまして私実はもう10年以上先生として勤めているのに1年生の担任は初めてなんだ」とそこで一呼吸置き続けて


「君たちも初めて会う同級生や先生に囲まれて不安だと思うんだ。安心しなさい周りの皆そう思っているから」私はその言葉ではなく先生の雰囲気を感じてなぜか安心している

その後は色々な行事連絡や初回に行われる授業の持ち物などいろいろなことを説明されてその日は昼頃に学校を後にしたのだった

私は暖かい春の道を一人で歩きながら今までに知って来た先生のことを思い出していたのだがその人たちと比べあの先生の話すことなどはそれほど変わってはいなかったのだけれどもそこには妙な説得力があってそのことが不思議でならなかった


その翌日から授業が開始される
最初からあの先生の数学が始まるのだが想像していたよりも簡単に思えたというか先生の授業が分かりやすく新しい学問へ非常に溶け込みやすかった


この高校に合格し、4月1日に新入生への説明会があったのだが実はそこで課題が出されたのである

その課題の内容は本当なら数学の授業で最初に学ぶであろう中身を教科書で読んで理解し、問題を解くことだった


課題の量はかなり多く、授業についていけるか心配だったのだがそんなことは杞憂であった
昨日私はこの3年間の生活を乗り越えられるのかさえ不安であったが今は違う
まず前の娘に話しかけてみようと勇気を出したのだった
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