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初めて知る痴愛の味
第9章 再会と充実
あれからは何事も無く日々が過ぎていった
楽しい時間というのは短く感じるものでもう梅雨が明けて7月の始めになっていた

これから試験とその後には夏休みが始まるのだが夏休み前に全校生徒が考えなければいけないことがあった
それは学校祭の出し物を何にするかということである
この学校では決まりとして飲食物は2年生からということだったためそれ以外の案を出さなければいけない

勿論夏休みが終わるとすぐに学校祭なので夏休みの間に準備は終わらせておかなければ間に合わないということだった

今、私のクラスもその話し合いの最中なのだがもうやることは既に決まっていてその為の係などで時間が掛かっていた

何故時間が掛かるかというとやることというのが歌劇だからである
元々歌うことや劇を好きで見に行く人、演劇部に入っている人がいたことなどが大きい要因だった

でも私は歌うことがあまり好きではないので少し不安であった
そんな話し合いの中で歌劇に使う曲と演目について案を出し合っていたのだが実際に劇で曲を掛けることを考えると誰かが演奏した方が良いということで最終的に曲はピアノ演奏することに決まった

そこで私はそのピアノ演奏の奏者に立候補する
幸いピアノ演奏の奏者を志望する人がおらず自分に決まったのだった

それでも最近全然触っていない為心配もしているのだ
そこで私は良い機会だろうとみずほ先生の元に行ってみる

「先生お久しぶりです」と話しかけてみる

先生はこちらを向いて笑顔で
「菜々ちゃんじゃん!元気だった?今はもう高校生だよね?ちょっと大人っぽくなったねえお母さんに似て綺麗だよ」と時間が空いても先生は相変わらず接してくれる

「ありがとうございます元気です」と少し照れを隠して答えると

「今日はどうしたの?よかったら小学生のクラス見学していく?」と返されたので

「実は今日はお願い事があって来たんです」と告げると内容も聞かずに

「いいよいいよ~こうして来てくれたんだから出来る事ならしてあげるよ」とあっさり承諾してくれたのだった


それから内容を告げない訳にはいかないのでピアノ教室の中を覗き、色々なことを話してその後で劇のピアノ演奏の練習を手伝ってくれませんか?と伝えてから家に帰ったのだった
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