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初めて知る痴愛の味
第12章 昭雄先生
それは私にとって非常に衝撃的なことだった
私がそのことを聞いたのは家へ遊びに来た友人の話がきっかけであった
ナカジマ先生が男子生徒に襲われた
この言葉を聞いた途端自室にいるにも関わらず上からは燦燦と降り注ぐ太陽の下で蝉の鳴り響く、そんな闇に捕らわれた気がして体を動かすことができなかった
次に頭を過ったのは中島先生の笑顔だった
でも、その写真には火が起こり灰へと変わっていって終に何も聞こえなくなった
怖さや哀れみといった感情よりも中島先生は返ってこないんじゃないだろうかという不安の方が強かった
友達が帰った後も柏尾菜々は自室の床に座り続けていた
両手にカーテンの隙間から透き通った緋色がのる
その光は両手の影を太腿に映し顔は部屋の暗さに同調している
光を遮るように雀が飛び立ち彼女は立ち上る
カーテンをしっかりと閉めようとした際に目に緋色がかかる
そこで彼女は我に返り、昭雄のことを心配する
友人の話によれば現在生徒が学校に立ち入ることは誰も許されておらず冷たく暑いこの夏は焦燥感に駆られた柏尾の足をしっかりと掴んで離さない
蝉の声も陽が落ちるにつれて沈んでいき自室が更に紫黒で覆われる頃には草むらから虚しい虫の鳴き声が聞こえて来た
まるで私が覗いた窓の外と中では高い壁で隔てられているような感覚の中で再び私が一人で居るということを実感してしまう
「きっと壁の向こう側に両親もいるんだろう」ふとそんなことを思った
想い、そして柏尾菜々は椅子に座って勉強机へと向かった
両腕を机の上に置くと冷たい
それでもシャープペンシルの引っ掻く音は長い間続いていた
休憩しようと思い下へと降りて行く
コーヒーを淹れて目を閉じ湯気を唇で感じコップをキッチンに置いてから冷蔵庫を開けて今日の夕食の為具材を選び取る
冷たい机の上に湯気の湧く出来立ての料理を置く
お皿と机のぶつかる音が響き、席について一人で食事をした
ただ黙っている
柏尾菜々は台所の明りを付けたことを後悔した
誰もおらず、食べる時の音だけがこの一階に響き、テレビの方を見つめるがスイッチを押すことは無かった
自分の食べている姿がテレビの画面に映し出されていることを確認してからすぐ料理の方に顔を向け、また黙って食べ続ける
この日ばかりは自分を慰めて紛らわせようとは思わなかったのだった
私がそのことを聞いたのは家へ遊びに来た友人の話がきっかけであった
ナカジマ先生が男子生徒に襲われた
この言葉を聞いた途端自室にいるにも関わらず上からは燦燦と降り注ぐ太陽の下で蝉の鳴り響く、そんな闇に捕らわれた気がして体を動かすことができなかった
次に頭を過ったのは中島先生の笑顔だった
でも、その写真には火が起こり灰へと変わっていって終に何も聞こえなくなった
怖さや哀れみといった感情よりも中島先生は返ってこないんじゃないだろうかという不安の方が強かった
友達が帰った後も柏尾菜々は自室の床に座り続けていた
両手にカーテンの隙間から透き通った緋色がのる
その光は両手の影を太腿に映し顔は部屋の暗さに同調している
光を遮るように雀が飛び立ち彼女は立ち上る
カーテンをしっかりと閉めようとした際に目に緋色がかかる
そこで彼女は我に返り、昭雄のことを心配する
友人の話によれば現在生徒が学校に立ち入ることは誰も許されておらず冷たく暑いこの夏は焦燥感に駆られた柏尾の足をしっかりと掴んで離さない
蝉の声も陽が落ちるにつれて沈んでいき自室が更に紫黒で覆われる頃には草むらから虚しい虫の鳴き声が聞こえて来た
まるで私が覗いた窓の外と中では高い壁で隔てられているような感覚の中で再び私が一人で居るということを実感してしまう
「きっと壁の向こう側に両親もいるんだろう」ふとそんなことを思った
想い、そして柏尾菜々は椅子に座って勉強机へと向かった
両腕を机の上に置くと冷たい
それでもシャープペンシルの引っ掻く音は長い間続いていた
休憩しようと思い下へと降りて行く
コーヒーを淹れて目を閉じ湯気を唇で感じコップをキッチンに置いてから冷蔵庫を開けて今日の夕食の為具材を選び取る
冷たい机の上に湯気の湧く出来立ての料理を置く
お皿と机のぶつかる音が響き、席について一人で食事をした
ただ黙っている
柏尾菜々は台所の明りを付けたことを後悔した
誰もおらず、食べる時の音だけがこの一階に響き、テレビの方を見つめるがスイッチを押すことは無かった
自分の食べている姿がテレビの画面に映し出されていることを確認してからすぐ料理の方に顔を向け、また黙って食べ続ける
この日ばかりは自分を慰めて紛らわせようとは思わなかったのだった

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