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初めて知る痴愛の味
第13章 枯れる花と咲く花
水品昭雄は気が付くと周りが漆黒の空間であった
それはただ単に部屋が暗いという訳ではない
何も物は存在せず自分自身は座っているにも関わらず何に座っているのかは分からない
何かに座っている感覚はあるのに不気味な感覚だ

少し落ち着いてから何も音が聞こえてこないことに気が付いた
自分の呼吸する音、心臓の鼓動さえ聞こえない
私は驚いて手を胸に置き、自分がまさか死んでいるのではないだろうかと目を見開いた
鼓動が聞こえてこない、やはり私は死んでしまったのであろうか

そういえば手で胸を触っている感覚がない
自分が死んでしまったのでは?という疑いは確信に変わった

この確信を実感したはずなのに焦りなど微塵も湧いてこなかった
まるで自分の心も頭脳も無いような錯覚に捕らわれる
まわりの空間も相まってまさに無という意識を増長させた
顔を上げてみると目の前に花壇があって、その世界で黒以外の色を持っていたのはこれだけであった

すぐ花壇と気づいたのは学校にあったものと同じような色形をしていたから
でも学校の花壇そのものではない
それでもここで自分が本当に死んでいるのだろうかという疑問が再び湧いてきた
中には花が咲いていた
そう
この咲いていた花がまさに生を輝かせていたのだった
でも学校で植えられていた花とは違う
少しだけ視野が広がって隣にも花が咲いていると気が付いた

あの日から少しずつ花の名前を覚えていったのでいくつか名前は分かる
薔薇とサフランが枯れている
菖蒲と沈丁花、ダリアとツルボは満開でリンゴは花びらだけが落ちており根元から引きちぎられた跡がある

こうして落ち着いてみてみるとこの花壇の花たちはそれぞれ間隔を取って唐突に生えているようだ
凄く不気味な印象へと塗り替えられてしまった
その全てから全く生命を感じられないのである

そもそも土に植えられているのだろうか

自分は手を思いっきり伸ばして全ての花を引きちぎってしまおうという衝動に駆られて前屈みになり、そこでどこか見知らぬ天井の景色へと変わった

二度と見たくない
また眠ることが出来なくなる程恐ろしかった


顔を横に向けると眠っている女性の寝息と共に寝顔が見えた
彼は彼女をそのままベッドに置いて立ち上がり、洗面台へと向かう

「俺の目ってこんなに黒かったのか」


もう彼の頭の中からさっき体験した恐ろしい夢の存在は消えていた
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