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夏の出来事
第14章 妄想
ちづるは、また、手首と脚の拘束が取れないか、確めてみる。

たがちづるの家のソファーは、肘掛けがソファーの足まで伸びて、輪っかを作っている。

取れる訳がなかった。

「ん!ん、ん、、ん!」

取れない、、。

や、だ、、。

本当に、取れない、、!

怖い、、!!

「ふ、、ん、んっ、、、」

時計を見る。

シャワーの音を、聞く。

『大丈夫。落ち着いて。』

タクミの声を思い出す。

ちづるは深呼吸をして、落ち着きを取り戻そうとした。

心臓はドキドキして冷や汗をかいている。

タクミ君、、

私が縛って、って言ったから縛ってるんだよね?

そう、絶対に そうだよ。

最初に別れるか、どうするかを私に決めさせて くれた。

甘い波が、また押し寄せる。

「は、はぁ、はぁ、、ぅ、」

でも、全部タクミ君の計算だったら?

タクミ君の話術で私を騙してたら?

ちがう

ちがう

 私は、自分 で 選んだ  

選んだ? 

あたしが選んだって そう思い込むように タクミくんが 仕向けてたら ?

そこにまた、ローターの弱い快感が押し寄せる。

「は、、ぁあ、、ぁ、、」

ちづるの呼吸はどんどん浅く、早くなってゆく。

心臓はバクバクいっている。

「は、、はぁ、はぁ、、は、は、」

騙す、、って

なんの為に?

そんな事、、

18の子が できる訳ないよ

でも、、、それも あたし

分からないじゃない。

「はぁっ、はぁっ、は、ぁ、」

もう、、、

分からな い

ダ メ。
もう、考え たくない、、! 

はやく きて、、。
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