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すきまクラブ
第1章 1. 社会科準備室
社会科の教科準備室は、西館の端っこにある。
夕日の差し込む西館への廊下を二人でならんで歩いた。


須藤が教科準備室の鍵を開けて扉を開くと、ほこりっぽい匂いと西日の眩しさでくらくらした。

「茅野は初めてはいるんだっけ?ここ」
「はい」

目が慣れてくると、そこにはごちゃごちゃとしたいろいろな教材や資料が山積みになっている。

「この辺かなー・・・」

そういいながら、部屋の奥のほうにある備え付けの棚を指して言った。

「たぶんこのへん。学校周辺の航空写真があるはずなんだよね。歴代の。それを探して欲しくて」

そういいながらいくつかのファイルを開いている。

さやかも近くに行き、その棚の大きさと古さに圧倒された。

「この棚、大丈夫なんですか?めっちゃたわんでますけど・・・」

書類の重さで棚板がたわみ、いまにも壊れそうだ。

「あー・・・ ね。」

須藤は苦笑いして頭をかいた。

「実は俺、社会科研究クラブの顧問なんだけど、そのクラブがここの部屋の管理をすることになってるんだよね。部室として使う代わりに。ただ、最近部員がいなくて・・・」

そこまで言うと須藤ははっとした顔をして、さやかをまじまじと見た。

「茅野・・・部活入ってないよね?」

さやかの嫌な予感は的中した。

「あー・・ まあ。入ってないですね。」

「内申書とか書くときにさ、部活って何か入ってた方がいいかなーと思うんだけど、どう?社会科研究クラブ。」

須藤はさやかのクラスの副担任でもある。
その副担任がニコニコと内申書の話をしているのだ。

「社会科研究クラブって、何するんですか?」

「そうだなー 自分の興味がある地域や歴史について調べたりとか?ま、実際はなんでもいいんだ。いままでこれといった活動はしてないし。」

「・・・それで部活として大丈夫なんですか?」

「そこはさ、俺がうまいこと報告すればいいだけの話で。ね。」

このイケメン教師はまた爽やかな笑顔を浮かべている。


さやかが返答に困っていると、須藤は資料の山の上から比較的新しいプリントを一枚掴んで目の前でヒラヒラさせた。

「とりあえず、仮入部してみる?」


そのプリントにはしっかりと「入部届」と書いてあった。
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