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第5章 5

「でも私……瀬田くんのこと、ずっと好きだったんです。……付き合ってほしいわけじゃなかった。ただ、瀬田くんを一瞬でも感じたかっただけだったのに。あと少しでそれが叶うはずだったのに」

……私があの日振られたからだ。

瀬田くんは私とセフレになると同時に彼女たちを切った。
だから彼女は今も気持ちが燻ったままなのだ。

「ちゃ、ちゃんと付き合ってくれる人とした方がいいんじゃないかな？」

「ふふ、先生ならそう言うと思ってました。でも、本当にそうでしょうか。先生は行動を起こさずに後悔したことはないんですか？」

彼女の真っ直ぐな目が苦しかった。

後悔ならしている。
悠斗に一方的に振られたとき。
私は何もしなかった。
結果的に瀬田くんと出会えたんだとしても、あの時後悔しなかったわけじゃない。