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束縛されるなら君に
第5章 5
「ごめんね」

そう言って泣きそうな顔をした後、彼女に向き直る。

「愛のないセックスでいいんならいくらでもしてあげるよ。その代わり、無理矢理されたとか、後で脅してこないでね」

冷たい言い方に、冷たい声音。
自分に向けられたものじゃないって分かってるのに、寒気がする。

「……酷い」

「酷いのはどっちだよ。キャンセル料として一週間付き合いたいって言ってきたのはそっちだよ?それなのに彩さんに言うだなんて卑怯なことしてさ。ほら、ホテル行くんだろ?カバンは後で誰かに届けてもらないなよ」

強引に彼女を連れて行こうとする瀬田くんの腕を掴んだ。
いくらなんでもちょっと酷すぎる。

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