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束縛されるなら君に
第5章 5
「気が変わった。やっぱ愛のあるセックスしてあげるよ。これ以上ないってくらいに愛してあげる。これなら連れ出してもいいでしょ?」

松田さんが私と瀬田くんを交互に見ながら慌てている。
こんなことになるとは思ってなかったのかもしれない。
そういう意味では彼女の性格は悪くなかったのだと思う。

「あ、あの……少しだけなので……ほんのちょっとだけ、瀬田くんをお借り、します」

瀬田くんに支えてもらいながら、彼女はベッドを降りた。

「いちいち許可なんかとらなくていいよ。先生と付き合ってたわけじゃないし。むしろセフレも解消したもんね?」

さっきまで松田さんに向けられていた冷たい目が、今度は私に向けられた。



松田さんは一つ礼をすると保健室を出た。

瀬田くんは…………振り返らなかった。


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