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心掟
第2章 偶さか


彼女は運ばれてきたオムライスへと視線を移すと、待ってましたと言わんばかりに目を輝かせ頬を緩めた。
その表情を見ていた彼もまた、彼女の様子を見て同じ様に頬を緩めた。

「 食べていい? 」 
「 え、何で俺に聞くの 」

彼は可笑しな質問にぷっと吹き出す。

「 だって君が食べないから… 」

そう言われ気付く。
彼女の表情に気を取られ、料理に手を付けていなかった。

「 あぁ、ごめんごめん 」

そういって料理に手を付けると、彼女もいただきますと言ってからオムライスを頬張り始めた。

「 ん~、美味しい。幸せ。」

頬を膨らませたまま彼女はそう笑みを零す。
まるでテレビ番組の食レポを見ているかのような気分になる。

料理に手を付けながら彼はもう一度彼女に聞いた。


「 もう一度聞くけど、なんでここまで来たの? 」
「 え … だから音楽の趣味が合うと思って … 」
「 それだけ? 」
「 … 。」


急に彼女は黙り込んだ。
彼女の動きが止まる。

「 何で俺のところに来たの? 」

その言葉に彼女は顔を上げた。
視線が絡み合う二人。

数秒後、彼女が口を開いた。


「 あの時の君の言葉が、忘れられなくて … 」


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