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心掟
第3章 浹洽
彼はパッと瞼を開ける。
暗がりの中視線を泳がせ、隣で天井を見上げる彼女を確認する。
「 ほら … なんていうか。」
「 君、凄く自由人でしょ? 」
「 自信を持って自分のやりたいことを、全力でやってます!っていうあの感じ。」
「 私にはできなかったから。凄く、いいなって思ってたの。」
確かに彼女はいつも誰かに縛られている様子だった。
自分の欲を我慢して誰かのために動く。
そして頼まれごとは合格点を確実に取る。
しかし飛び抜けて何かできるわけでは無い。
けれど何事も卒なくこなす彼女は誰からも信用されていた。
その点彼は自由人だった。
自分のやりたいと思う事に全力を注ぐ。
自分の興味の無い事は適当にやり過ごしていた為、反感を買うときもあれば呆れられる時もあったが、彼は彼なりのフレンドリーさがあったので、人気者ではあった。
彼女は、小さく笑みを零すと瞼を閉じる。
そして深呼吸すると再び言葉を続けた。
「 みんなで飲みに行った日。君の言葉が嬉しくて。」
「 君がお酒に酔っていたのはわかっていたけど 」
「 憧れの人にあんな風に言われちゃったらさ 」
( … 好きになっちゃうよ 。)
「 す …―
そう言いかけた彼女の声が途切れる。
彼は彼女の唇を塞いでいた。

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