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心掟
第3章 浹洽


驚きで彼女の身体は硬直する。
彼女が瞼を開き瞬きを数回繰り返す。
唇は重なったまま。


言わせない。
言ってあっただろ。君が一番好きだって。
君よりも、ずっと想ってきたのは俺の方だ。
先に言われてたまるもんか。


状況を把握した彼女は彼の身体を離そうと腕をあげる。
彼はその両腕を掴むとベッドに押し付け、重なっていた唇を少しだけ離す。

すると小さく彼女が吐息を漏らした。
今まで聞いたことのない彼女のその吐息。


溢れる。感情が。
その熱を帯びた身体と、甘い吐息で。


数センチの距離で彼は彼女の瞳をまっすぐと見つめる。
彼女はその視線から逃れるように顔ごと逸らす。

それさえも許さぬように。

彼は再び口づけを交わす。
奪い取るかのように。強引に。

彼女は拒むように腕を解こうとするが、もちろん勝てやしない。


絶え間なく幾度と口づけを交わすと、彼女の身体は自然と溶けていく。

甘く。

彼の強引な口づけに。


その隙を突いて、彼女の中へ舌先を滑り込ませる。
んっ … という彼女の甘い声と同時にぴくりと身体が震えた。

拒んでいた口づけは次第に合意のものとなった。


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