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恋愛無双ーレンアイムソウー
第1章 12月初旬


帰宅すると既に父親がいた。

テレビから結子に視線を移す。


「お、お帰り」

「ただいま。お父さん早いね」

「あぁ、たまにはな」


父親の視線が結子の手元に移る。


「何か買ってきたのか」

「お惣菜とお菓子」

「俺の分は?」

「…惣菜は半分あげる」


結子が仕方なさそうに言うと
父親はソファーから立ち上がり
キッチンに置かれた鍋を手にした。


「ほら、シチュー作ったから。
晩飯にしようか」

「うん。手ぇ洗ってくる」


結子が部屋に鞄を置いて
手洗いを済ませてリビングに戻ると
テーブルの上にシチューと白米、
サラダが用意されていた。


「いただきます」

「沢山お食べ」


シチューが入った皿に白米をぶっ込んで
馴染ませていると父親が手を止める。


「結子。明日仕事か?」

「ううん。休み」

「予定は?」

「ゲームかマンガ」

「暇だな。出掛けるぞ」

「えっ暇じゃないよ。
諸葛亮様とカカシ様が私を待っ……」

「それを世間では暇と言う」

「うっ……」

「今日は徹ゲーや徹マン(徹夜でマンガ読む)
はやめておけ」

「えぇーー」

「明日は朝の9時に家を出るからな」


いつの間にか食事を終えた父親が席を立ち
食器を流し台に置いている。


「……明日どこ行くの?」

「内緒。服だけはお洒落しなさい」

「へ?服だけ?」

「家ではその服でもいいが…
明日は恥ずかしくない格好をしなさい」

「うわー。お父さん、
この格好の娘じゃ恥ずかしいんだ?」

「揚げ足を取るなよ。
とにかく、お洒落する事。以上!」


そう言うと缶ビールとつまみを持って
テレビの前に陣取る。

こういう時の父親には何を言っても
通用しないと理解している結子は
口答えするのを諦めて
父親の背中を見つめながらため息を吐く。


ーーー諸葛亮様…カカシ様……
意気地のない子でごめんなさい…



結子がまだうんと幼い頃
妻である結子の母親を亡くしてから
父親は男手ひとつで現在まで再婚もせずに
結子を大事に育ててくれた。

そんな父親の苦労を理解している分
結子は父親を大事に想っているし
一人の人間として尊敬している。

結子のする事にほとんど文句をつけない
寛大な父親がこんな風に何か言う時は
従うべきだと昔から決めている。

だから仕方がない。

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