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恋愛無双ーレンアイムソウー
第1章 12月初旬


案内された事務所の中には
右側にキッチンと冷蔵庫、
左側にパソコンが置かれた机、
奥にはソファーがあった。


「こちらへどうぞ」


ソファーに腰掛ける父親の横に静かに座る。


「お飲み物をお持ちします。
何がよろしいですか?」


山中が小さなメニュー表を渡してきた。


「俺は珈琲で。結子、お前は?」

「じゃ…私も珈琲でお願いします」

「かしこまりました。しばらくお待ち下さい」


山中がキッチンに移動して
珈琲の準備を始めたのを確認して
結子は小声で父親に話し掛ける。


「ちょっと、お父さん」

「んー?」

「んーじゃないやろ。んーじゃ!
何で美容室に来たん?
さっき世話になるって言いよったけど
どーいう意味なん?
それにお父さんと来る意味が分からんし。
そもそもさぁ……
私が美容室苦手なの知っとるよね?!」


結子が捲し立てる様に話し終えると
父親は無駄に笑顔を見せて口を開く。


「分かったから、静かにしなさい」

「返答になってない!」

「…欲しい物は買わなくて良いのか?」

「えっ…」

「そのワンピースを着ている間は
行動も含めてお父さんの言う通りにしなさい」

「無茶苦茶な…」

「どうするんだ?」

「………分かった。
じゃ……欲しい物二つ買って」

「二つ?!んー………分かった」

「良いの!?よっしゃ!!」

「こら。言葉遣いが悪い」

「ふふっ、気を付ける」


結子はすっかり上機嫌になり
愛想の良い表情をしている。

そこに珈琲を持った山中が戻って来た。


「お待たせしました」

「ありがとう」

「ありがとうございます」


口に運ぶ前に息を吹いて冷ましていると
キャスター付きの椅子に腰掛けた山中が
父親に視線を向けた。


「蒼井さん。本日は社長の我が儘を
聞いて下さって、ありがとうございます」

「いや。世話になってるから」

「本当は一般募集の予定だったんですが
社長がどうしても蒼井さんに頼みたいと
譲らないので声を掛けさせていただきました」

「へーそれは知らなかった。
この前一緒に飲んだ時に企画を聞いて
軽くお願いされただけだから」

「そうだったんですね。助かります」


山中が安堵の表情を浮かべた。

結子は二人が何の話をしているのか
さっぱり分からないまま
話の成り行きを見守っていた。

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