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恋愛無双ーレンアイムソウー
第1章 12月初旬
「急にどーしたの?」
結子は既に平然としている。
「結子パパが連絡くれたんだよね~蘭」
「そう。ゆいこりんパパから電話もらってねぇ。
イケメン美容師のおにぃさんとゆいこりんが
連絡先交換したって教えてくれたのよぉ」
「はぁ?!」
「いや~びっくりしたよね~」
「ホントよぅ。恋愛に興味のないゆいこりんが
男性と連絡先交換なんて珍しいもんねぇ」
「…ちょっと待ってて」
結子がおもむろに立ち上がる。
「結子どうしたの~?」
「眉を寄せてたらシワが出来ちゃうわよぉ」
「お父さんシメてくる」
部屋から出ようとする結子を蘭が止める。
「ゆいこりん待った!」
「…離してよ、正志(ただし)」
「ちょっとぉ!昔の名前で呼ばないでよぉ!」
「あ。ごめん、つい…」
結子は少し冷静を取り戻した。
「気を付けてよぅ。今は蘭なんだからぁ」
「はいはい」
「取り敢えず落ち着いて話を聞きなさいよ」
「ん」
結子はベットに腰を下ろす。
「ゆいこりんはさぁ、しばらく彼氏もいないし
恋愛すらまともにしてないでしょ」
「うん」
「それで今回こんな風に男性と出会って
しかも次の日曜には食事に行くらしぃじゃない」
「何か話の流れで」
「ゆいこりんにとっては本意じゃなくても
それって立派なデートのお誘いよねぇ」
「え?」
「ほらやっぱり気付いてないわ。鈍感っ子ね!
その様子じゃ服とか何も考えてないでしょ」
「服?何で服が出てくんの」
「そりゃ~相手はデートだと思ってるからよ。
それなのにゆいこりんが普段着でやって来たら
相手はどう思うかしら?」
「別に、どうも思わな…」
「はぁ?!」
「えっ…」
蘭が目を見開いて結子を見つめた後
大きくため息を吐く。
「ダメだわ。めぐりん説明代わってぇ」
「はいは~い」
恵が結子の隣に座る。
「例えばだけど~
もし結子がカカシ様と食事に行く事になって
カカシ様が普段着だったらどう思う?」
「普通に嬉しいけど」
「じゃあ、カカシ様が結子の為に気合い入れて
いつもよりお洒落して来てくれたら?」
「それ…やばい」
「でしょ~?今の結子の気持ちが
美容師さんの気持ちと一緒なんだよ。
結子がお洒落してくれたら嬉しいんじゃない?」
「…うん」
「そういう訳で~私達に連絡が来たの」
「え?」