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恋愛無双ーレンアイムソウー
第4章 レンタル彼氏ー出会い篇ー


「ここよく来るの」


そう言って連れて来られたのは
天神は親不孝方面にある焼肉店。

チェーン店ではなく
個人が経営している小さい店で
味は確かに旨いのだが
どちらかと言えば女性客は少なく
店内も小汚ない印象がある。


「俺もよく来るよ」
「ホント?ここ良いよね~」


たまたま店内奥の半個室が空いていて
そこへ案内されると
結子はすぐに上着を脱ぎ
ヒロが脱いだ上着も奪い取った。


「え、あの…」
「ハンガーで掛けとくから」
「あ…ありがとう」
「いえいえ。ね、単品で注文する?」
それとも食べ放題にする?」
「俺は焼肉は食べ放題派かな」
「だよね!私も!じゃーコースは…」


結子はメニューを凝視しながら
ブツブツと呟いている。


ーーーまじか。初対面で、焼肉で、
まさかの食べ放題にしちゃう訳?


ヒロは改めて結子を観察した。


ーーー化粧はほぼしてないな。
目鼻立ちがはっきりしてて
気が強そうな猫顔だけどかなり美人だ。
あれだ、柴●コウに似てる。


「ね、牛タンがあるコースで良い?」
「あっうん」
「お酒は普段何飲む?」
「ビールばっかだね」
「飲み放題つける?ビール3杯以上飲むなら
飲み放題つけた方がお得だけど」
「どーしよっかな…」
「私も飲むからつけようよ!」
「じゃ…つける」
「オッケー。店員さん呼ぶね」


ヒロは呆然と結子を見つめていた。

こんなにテキパキと決められて
まるで男友達とご飯に来たみたいで
変な感じがするのだ。


ーーーさっきまでと表情が全然違う。
何か…生き生きしてるな。


「焼肉好きなんだね」
「うん、大好き。お肉にまみれたい位」
「肉にまみれ…」
「お金さえあれば毎日食べたい位」
「ぷっ…毎日?食べ過ぎでしょ」
「それくらい好き…あ、ビール来た!」


ちょうど店員がビール2杯を持ってきて
結子が受け取っていたが
ヒロは店員の視線が目についた。

店員がやらしい目付きで
結子を見ていたのだ。

当然ビールに夢中な結子は
そんな事には気付いていない。


「乾杯しよ、乾杯。お疲れーっ!」
「お、お疲れっ…」


結子が無理矢理ヒロの腕を掴んで
ビールのグラスがぶつかる様に動かした。

勢いよくビールを飲む結子。


「ぷはあ~」


ーーー今まで出会った事ないタイプだ。


ヒロは結子に目を奪われていた。

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