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インスタントコーヒー
第11章 そして

「アヤ、綺麗になったな。」

懐かしい手。
本当に幸せだったあの時の気持ちが
蘇っていく。

「彼氏は、いるのか?」

首を横に振る。
先生との想い出から6年間ずっと
離れられなかった。

「俺の家、来ない?
アヤを恋人として抱きたい。」

嘘みたいだった。
恋人として先生に抱かれる。

あの時、なんども想像して
時に自分で自分を慰めたりもした。

そうなったらいいのに、って
先生とお別れしたあとも
ずっと夢見てた。

首を縦に振ると
先生は私の手を掴んで、お金を払って
そのまま店を出た。
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