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インスタントコーヒー
第3章 再び
「結城…先生?」
そこにいたのは担任の結城先生。
26歳の新人教師で私のクラスの副担任。清潔感のある黒髪に、切れ長の目に鼻筋がすうっと通ったスッキリとした顔立ち。背もスラッと高くて、学校のアイドル的存在。こんなにカッコいいのに奥さんも彼女もいない。
「こんな夜遅くにどうした?」
心配するのも当然だ。
時刻は0時。ユイの家からそのまま来て、部屋着のまま。
そんな時間にそんな格好で女の子1人でフラフラ歩いてたら心配するのが普通。
「何か…あったのか?」
何だかよくわからない、よくわからないけど先生の私を包み込むような瞳を見ると今まで心のなかで張り詰めていたものが切れてしまった。
膝がガクンと落ちて喉の奥が震える。
視界はますます滲んで、先生の顔もよく見えない。
人前でこんなに子供みたいに大泣きするのは初めてだった。