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インスタントコーヒー
第5章 その後

やだ、私何考えてるんだろ…

私はこんななのに
先生は悔しいくらいに涼しい顔で
淡々と授業を進める。

私だけが知ってる、先生のもう一つの顔。

思い出して、ちょっと頬が赤くなる。

「これで、今日の授業は終わり。」

ハッと我に返る。
ノートは開いただけで真っ白なままだし
教科書は開いてすらなかった。

私、先生のことしか見てなかった。

完全にはまっちゃってる。
チクンと刺さる痛みを消すように
自嘲の笑みを浮かべる。

「小テストは日直が全員分回収して、物理学教室の準備室の方に先生はいるから放課後持ってくるように。」

と言って先生は教室を出た。

日直は、わたし。

バカだな、変な期待をしちゃってる。
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