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インスタントコーヒー
第6章 本当の気持ち〜結城先生side〜
俺は誤魔化すようにベッドに入ってすぐ明かりを消した。
冷静なフリするのが精いっぱいだった。
時計の秒針の音と、アヤの子供みたいな寝息が
規則正しく冷房の風に乗っかってくる。
寝れねえ。
シャワーでも浴びてこよう。
静かにバスルームに入ると
勢いよく蛇口をひねる。
俺の情けない顔を映していた鏡は
次第に曇ってゆく。
あーちくしょう。
可愛すぎるんだよ、あいつ。
何スヤスヤ寝てんだよ。
1人でこんなんになってる俺、バカみてえじゃねえか。
もう26。初恋してから15年。
いろんな恋愛をしてきた。
歳を重ねるごとに『好き』だけじゃ、
やっていけない恋愛を知っていった。