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インスタントコーヒー
第6章 本当の気持ち〜結城先生side〜
アヤが帰った部屋はいたずらに広かった。
ソファーの前の小さなテーブルに並ぶ
飲みかけの2つのインスタントコーヒーは
アヤがそこにいたことの証。
ソファーの端に几帳面に畳んで置かれたタオルケットは、爽やかな甘い香りがした。
ベッドにドサッと倒れこんで
全身の力を抜く。
クーラーをガンガンに効かせているのに
全身が火照るようで気怠い。
腹、減ったなあ。
大学生のときから一人暮らししてたこともあって
本当は料理は得意だけれど、
そんな気も起きない。
重い体を起こして、スウェットにあっちこっちにはねた纏りのない頭でコンビニに行く。
ま、家の側の橋渡ってすぐだから
いいだろ。
几帳面に並んだパンの中から2つ3つ選び
視線を右にそらすと紅茶やらコーヒーやらを売っていた。