この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
インスタントコーヒー
第9章 支え〜タクside〜
「急に大きい声出しちゃって、ごめんね。
それじゃ、私行くね。」
ユイは去っていった。
俺は階段を降り、
最近買ったクロスバイクに跨って
学校を出た。
バカだな、俺。
アヤのこと、何にも見てなかった。
ユイからああやって聞くまで
好きな女が、他の男に、それも副担任に
とられたっていう
怒りとか悔しさしかなかった。
クロスバイクを思いっきり漕ぐ。
スピードはどんどん上がって
ゴオゴオとなる風が頬をかすめて
色々な感情で爆発しそうな身体を
抑えつけてくれる。
アヤは多分家の近くの河原にいる。
お父さんのことがあったあの日も
ずっと河原に1人でいた、と
後から聞いた。
俺は川沿いにクロスバイクを走らせる。