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インスタントコーヒー
第9章 支え〜タクside〜

「急に大きい声出しちゃって、ごめんね。
それじゃ、私行くね。」

ユイは去っていった。

俺は階段を降り、
最近買ったクロスバイクに跨って
学校を出た。

バカだな、俺。
アヤのこと、何にも見てなかった。

ユイからああやって聞くまで
好きな女が、他の男に、それも副担任に
とられたっていう
怒りとか悔しさしかなかった。

クロスバイクを思いっきり漕ぐ。

スピードはどんどん上がって
ゴオゴオとなる風が頬をかすめて
色々な感情で爆発しそうな身体を
抑えつけてくれる。

アヤは多分家の近くの河原にいる。

お父さんのことがあったあの日も
ずっと河原に1人でいた、と
後から聞いた。

俺は川沿いにクロスバイクを走らせる。
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