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インスタントコーヒー
第9章 支え〜タクside〜

「結城とのこと、本当なんだな」

アヤは黙って
コクリと頷いて下を向く。

「でも、辛いけど関係は断たないとな…」

アヤは下を向いたままだ。
アヤの太ももの所でぎゅっと力を込めた
握りこぶしに、ひとつ、ふたつと
水滴が落ちる。

アヤは泣いてる。
そんなに、結城のことが好きか。
体だけの関係じゃ、ないのか。

俺はアホだ。
気の利いた言葉が一つも出てこない。

これじゃあ先生と関係断つの
喜んでるみたいだ。

「辛かったらさ、俺らがいるからさ。
何でも聞いてやるから。」

アヤは小さい肩を震わせて

そして
声をあげてワンワン泣いた。

昔みたいに。

俺は嬉しかった。
俺のことを少しでも頼ってくれたことが。

けれど

他の男がアヤの心に住み着いてるのが
悔しくて、悔しくて

たまらない。


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