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たとえそこに、愛がなくとも
第1章 悪戯な再会

「来宮さんって何歳なんですか?」
「今、24」
「あ、結構年上なんですねー。若く見える」
「そう?ありがとう」
「今まではフリーターか何かだったんですかー?」
「まーうん、そんな感じ…かな」
口が裂けても言えるわけがない、元風俗嬢だったなんて。
ていうかタメ口にして大丈夫だったかな?私年上だけど仕事で言えば後輩だし…でも4つも下の子に敬語を使うのも変だし…。
今までヘルス嬢以外の仕事をしたことがない。社会って難しい。
「この店、結構飲み会とかあるんですよ。たぶん今度、来宮さんの歓迎会もあると思うんで」
「そうなんだ」
「来宮さんお酒好きですかー?」
「んー、まあ割と好きかな」
普段飲むのはビールや焼酎、日本酒。全然可愛くない。オッサンか、とよく突っ込まれる。
「じゃあ今度、私たちとも飲みに行きましょうよ!」
「それいい!来宮さんと仲良くなりたいし」
「ほんと?じゃあ、ぜひ」
「やった」
ふたりとも結構いい子そう。気さくに話しかけてくれるし、堅苦しくないし。この職場、結構働きやすいのかも。
私はニコニコと話すふたりを見ながら、自然と頬を緩めていた。

