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たとえそこに、愛がなくとも
第2章 ふしだらな身体

この仕事を続けているうちに、私は男の人が信用できなくなった。男の人が好きになれなくなった。
一番私の心をえぐったのは、とある既婚者男性。
彼の奥さんは、その時妊娠していたらしい。妊娠8ヶ月、もうすぐ彼はパパになる。
結婚して、子供を授かって、なんて幸せな家庭なんだ、そう思った。
でも彼は、妊娠している奥さんとセックスができないから、だから欲求不満でここに来た、そう言っていた。
当時18歳だった私は、幸せな結婚生活に憧れを抱いていた。優しい旦那と可愛い子供に囲まれて家庭を築くのが夢だった。
でもそんなの幻想だった。男の人は欲にまみれている。
どんなに優しそうな人だって、どんなに誠実そうな人だって、男はみんなオオカミだ。
欲望丸出しで私を求める彼らは怖かった。気持ち悪かった。
そういうことをするためのお店なのだから、みんなスイッチが入っていて、理性なんて気にせず欲望丸出しにするのは当たり前だと、お店のボーイさんがよくなだめてくれた。
それでも嫌だった、嫌になった。
男の人なんて信用できない、好きになれない。
だから私は、この店で何度も男の人と唇を重ね、身体を重ねたが、プライベートでは一度も男の人を好きになったことがなかった。一度も男の人と付き合ったことがなかった。
仕事以外でキスも、セックスも、したことがなかった。

