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たとえそこに、愛がなくとも
第2章 ふしだらな身体

それに彼は、私の身体を悦ばせるのが上手だった。器用な手先でいつも私の身体を熱くする。
私は彼との本番行為を拒まなかった。何度も彼と身体を重ねた。自分から求める日だってあった。
何も知らない子供の私に、たくさんのことを教えてくれた。大人の遊びを、大人の気持ち良さを教えてくれた。
「痛いか?」
「ちょっと……痛い。でも、抜かないで……?」
「心配するな、辞める気はない」
彼のモノは大きくて、太くて、長くて。それでも私は彼のモノが好きだった。何度も彼と身体を重ね、そのうちに私の身体はこの形を覚えていった。
「気持ち良い?」
「うん……ねえ、早く動かして?早く、突いて……ああっ」
「突いてやるよ。お前が嫌って言ったってやめない」
思えば、今まで仕事を辞めようと思っても結局辞めずにいたのは、彼の存在があったからなのかもしれない。
でも……もし私が彼と、この店で出会わなかったら、道端で運命的に出会っていたら、本当の恋人同士になれていたのだろうか?身体の関係以上を持てたのだろうか?
ううん、きっとそんなことはない。
私がこの店の風俗嬢だったからこそ、本当に割り切れる女だったからこそ、彼は私を気に入ってくれた。こうして私に会いに来てくれた。
彼に触れられるたび、彼に抱かれるたび、嬉しいはずなのに、どこか切ない気持ちをいだいていた。
その理由は考えないようにしていたけれど、気づかないふりをしていたけれど
やっぱり私は、あの頃彼が好きだった。
彼のことを、愛していた。

