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たとえそこに、愛がなくとも
第2章 ふしだらな身体

床に脱ぎ捨てられた下着と服を回収し、とりあえず下着だけ身につける。昨日と同じ下着を身につけるのはあまり気が進まなかった。
シャワールームからは、水が床を打つ音が聞こえる。
本当に私は彼と身体を重ねたんだ。今更ながらに実感した。
口止め料とはいえ、私が彼に身体を売ってしまったのは事実だ。私と彼の間に愛情なんてない、売春行為と同じことだ。
イケナイことをしてしまったんだ。私はまたあの頃と同じように過ちを犯したんだ。
もうこんなことはしないと決めていたのに。自分の身体を大切にしようと、決めていたのに。
でも、嫌悪感というものはない。罪悪感というものも一切ない。
ただ、私は、彼とこうして再び身体を重ねられたことが嬉しかった。
いつからこんなに心の汚れた人間になってしまったんだろう。自分に呆れる。こんな気持ちにさせた彼のことも憎い。
そもそも彼は、私に再会できたことをどう思ったのだろう。どんな気持ちで私を抱いたのだろう。
わからない、彼の考えることなんてわからない。
今も昔も変わらず、彼は本当に変わった人だ。彼の心の中は読めなかった。

