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たとえそこに、愛がなくとも
第2章 ふしだらな身体

「思わないよ。思うわけないじゃない。年齢なんて関係ない。夢を持ってることも、目指し続けていることも、全部全部かっこいいよ。
こうやってストリートライブして、努力して、絶対なるんだって諦めない宮野くんはめちゃくちゃかっこいいよ」
「来宮さん……?」
「誰かにバカにされるんなら私がそんなやつぶっ飛ばしてあげる」
「なんすかそれ、結構バイオレンスな性格なんすね」
「いやいや、今のはものの例えで……」
慌てて訂正しながら彼を見ると、彼はもう、不安げな顔なんてしていなくて。嬉しそうで、どこか自信に満ち溢れている。何か吹っ切れたようだ。
「さっきの取り消します。
バカにされても気にしません。俺はシンガーソングライターになりたいから。歌うことが、好きだから」
そう力強く言い切る。いつも気怠げで面倒くさそうな彼の面影は一切ない。
真剣なんだ。本気でシンガーソングライターを目指してる……。
私にはできないこと。私にはない強い意志。
そんな彼の新しい一面に、私の胸はキュンと高鳴った。
「来宮さん」
「なに?」
「俺、あんたのこと好きっすよ」
「へ……あ、ありがとう?」
突然好意を示され、とりあえず私はお礼を口にする。
なんか、そんな風にストレートに言われると、結構照れるな……。
私は照れ臭くなって、意味もなく前髪を手でいじった。
「あの、ちゃんと意味わかってんすか?」
「え?」
「来宮さんのこと、ひとりの女として好きなんだけど」
「……え?」
「だから……今の告白」
「え……ええっ?!」

