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たとえそこに、愛がなくとも
第2章 ふしだらな身体

「何そんなに驚いてるんすか?俺今まで結構好意示してきたつもりだったんだけど」
いやいや、そんなの微塵も見せなかったじゃないか。今だって彼の告白を信じきれていない。
宮野くんが私のことを好き?ひとりの女として?あはは、そんなわけ……。
「俺がカフェの他の人と雑談してるとことか、見たことある?」
「えっと……あれ?」
ない……かも?
確かに、彼が他の店員たちと仕事以外の話をしているところを見たことがない。
いやでも、私が彼に話しかけていることの方が多かったような……。
「俺、女の人苦手なんで、話しかけられても基本無視なんすよ」
「え、無視?!」
「けど、あんたは特別。
最初はまあ、外見で判断したっすけど……。今はちがう。あんたのこと、中身も含めて好き」
「そ、そんなこと、急に言われたって……」
当然心の準備なんてしていなかった。彼に告白されるなんてシナリオ、どこにもあるはずないんだから。心臓に悪い。悪すぎる。
「来宮さん、俺と付き合って」
「え……」
「返事、今すぐ欲しい」
彼はいつも通り無表情で、無愛想で、だけど、真剣な目をしていて。嘘なんてついていない。それだけはわかった。
どうしよう……。

