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ケン兄とボク。
第1章 ケン兄とボク。
「あ……!」

 途端、それまで感じていた気持ちよさが急になりを潜めた。

「ゆうた……?」
「……っ! ご、ごめんケン兄」
「……嫌だったか?」
「ち、違う! そんな事ない!!」

 違う。ボクは。

「き、気持ちよかったんだ」
「そうか」
「えっと。ごめんケン兄。……そう分かった途端、怖くなった」

 そう。怖かったんだ。

「怖い?」
「うん。なんか、飛んじゃいそうだ。嫌だって思ったんだ」
「……やめるか?」

 そう言うケン兄は、凄く悲しそうで。ボクは思わずケン兄に抱き付いた。

「え、おい、ゆうた?」
「ダメ。やめないでケン兄」
「……ゆうた?」
「ボク、気持ち良かったんだ。最初は嫌だったのに、さっきはケン兄にもっとしてもらいたいって。ケン兄ともっとキスしたいって思ったんだよ」
「…………」
「それに、ケン兄にも気持ち良くなって欲しいし、ボク、もっと気持ち良くなりたい。ケン兄と一緒に気持ち良くなりたい。チンチンをさっきみたいに擦ればケン兄も気持ち良くなれるんだよね? 一緒に飛べるんだよね? ねぇ、ケン兄」

 ケン兄はボクの言葉をじっと聞いていた。その言葉の意味を吟味するように。そして、ボクに聞こえるか聞こえないかぐらいの声で何か呟いた。

「可愛すぎ。理性保つの大変だわこりゃ」
「え?」
「なんでもない。じゃあさ、ゆうた。俺もズボン脱ぐから、同じように触ってくれるか?」

 ボクがケン兄にされたように触るって事だよね?

「うん!」
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