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ケン兄とボク。
第1章 ケン兄とボク。
「ふにふにしてる」

 ケン兄がそう言いながらボクの大事な所を触る。

「け、ケンにっ」

 最初はツンツン触るような感じだったのに、ケン兄が触り方を親指と人差し指で挟んで擦るような動きに替えた途端、ボクの腰が勝手に引いた。

「ふ……っ……ぁっ」

 なに……っこれっ。

「ま、待って、あっ、ケン、ケンにっ……!」
「ダメ。待たない。こんな可愛いゆうたの顔見て、こんなに可愛いゆうたのチンチン触ってるのに、俺がやめられるハズがないだろ?」

 そんな冷静に言わないでよ!

「で、でもっ、んむぐ!」

 再び強引にキスをされ、ボクは抵抗を許されないまま、ケン兄に弄ばれる。それに、今回のキスはさらに、唇や歯を押しのけて、ケン兄の舌がボクの口内に割入ってきた。
 腰が体ごとビクン、と何度も跳ねるし、息もままならないほどのキスはボクとケン兄の舌が絡み合い、不思議な熱を生み出す。

「ん……ふっっ!」

 緩んでいたはずの体は再度強張っているのに、自分では力が入らない。

 ──あぁ、ダメだ。

 ぞくぞくと腰から来る気持ちよさ、ぼーっと霞がかかったようになる舌が絡み合うケン兄とのキス。

 ──ボク。これが、気持ち良いんだ。

 そう認識した瞬間、ボクは咄嗟にケン兄を力尽くで引き剥がしていた。
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