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ケン兄とボク。
第2章 二日目。


  †



 二日目。夜。ボクはお風呂に入ってゆっくりしていた。昨日の夜、そして今日の夕食
レストラン
の後は大変だった。そして、たぶん今日の夜も大変なんだろうなーとぼんやりと思う。

 だって、二人っきりになれる夜に、ケン兄がボクになんにもして来ないはずがない。昨日も、さっきだって恥ずかしい事を沢山されたのだ。布団の上で、絶対ケン兄はボクを気持ち良くしてくれるはずだ。そして、ケン兄にも気持ち良くなってもらう事になるだろう。

「……ってなに考えてるんだろう、ボク」

 ふるふると頭を振って、考えを打ち消す。

「うぅ……恥ずか死しそう」

 ふるふると頭を振って、考えを打ち消す。

「うぅ……恥ずか死しそう」

 昨日あんな事があってから、ボクはなんか変なんだ。ケン兄の顔は恥ずかしくてまともに見れないのに、ふとした時にケン兄の姿を探してしまうし、ゲームをしたりしてる時に肩をポンと叩かれただけで、ビクッと身体が動いてしまう。

 なのに、ケン兄ときたら昨日の夜の事なんて何事もなかったかのように普通にしてるんだもん。ルイ姉に至ってはいつにも増してニヤニヤと見てくるし、本当にイヤになるよね。

「しかも……何も無いかなと安心してたら車であんな事してくるし」

 膝を抱えて湯船に顔を半分沈め、ぶくぶくと泡を出す。

 車の中だっていうのに、ルイ姉に見られながらケン兄に触られて、凄く恥ずかしいわお母さん達に見つからないかで気が気じゃないわで、もう頭が沸騰しそうだった。

「ぶく、ぶくぶく……ぶく(それに、なんで、あんな……うぅ)」

 絶対、ルイ姉が悪魔の選択を迫って来たのが悪い。

 ──ほらゆう君。これならイっちゃってもバレないよ? ケンに本当に気持ち良くしてもらったら? ──

 あんな事言われて。その途端ケン兄が手を離して。急に消えてしまった、やめて欲しいのに、やめて欲しくなかった不思議な感情の波がボクを襲って。

「二人とも絶対いじわるだよね。だって」

 断れるわけがないじゃないか。昨日みたいな気持ちの良い、身体がふわふわして、切なくて、飛んで、イってみたいと思ってしまうに決まってる。

 なのに、二人は。

「おーい、ゆうた。入るぞ?」
「ぇ?」
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