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スーパーヒーロー
第1章 僕はオタク

アンリ?
誰かの名前かな。
まるでアイドルにでも浴びせるような女の子たちの悲鳴。
でもアンリなんて、聞いたことない。

「転校生だな」

ヘンリーが向こうに見えてきた女の子たちの群れを見ながら言う。

「なんで分かるの?」

「噂になってるからだよ。すげぇぞ、イケメンが転校してくるー!って女子どもがだいぶ前に騒いでた」

その女の子の転校生情報はどこからくるのやら。
まぁ、そんなことはいいや。

「あの人数、あの悲鳴の大きさなら噂通りのイケメンが転校してきたんだな」

「へー・・・」

「近づいてきたぞ。ホラ、これから俺たちの敵になるであろうイケメン様のお通りだ!顔を拝んでおけ!!」

そう言ってヘンリーは、僕を近づいてきた群れの方へ背中を押す。

「え、ち、ちょっと!?押さないでよヘンリー!」

「いいから行って来いって!遠慮すんな!」

「は!?遠慮なんかするわけないだろ!!離せっ!」

後ろにはヘンリー、前には大勢の女の子。
圧力に押し潰されて死んじゃいそうだ。

「お前女々しいからな、イケメンには興味あるだろ!!」

そういってヘンリーは笑う。

「はー?!そんなわけないだろ!ふざけるな!」

僕は男なんだぞ!冗談じゃない。
体中ぎゅうぎゅうに押されて、何度も足を踏まれて、悲鳴で耳は壊れそうだし、
今日はなんて散々な日なんだ。
はぁ・・・数人だけでやってくるいじめっ子の方がまだ優しいよ。

僕はもうほとんど、この群れから逃げ出す力を失っていた。

同士ヘンリーよ、この群れがこの食堂からいなくなったとき、そこに僕はボロボロになって倒れているだろう。親友である君が僕を女々しいとからかい女の子たちの群れに僕を押したせいだ。さらば友よ、また後で・・・。
グリーンベース、君をもっと描きたかった。
この休み時間だって、本当は君をスケッチブックに描く貴重な時間だったんだ。
それなのにこんな、こんな、ことになって。

僕は精一杯、仲間に別れの言葉を告げた。

「キャアアアア~~!!!アンリィィィ!!!」

はあ・・・お前のせいでお前のせいで・・・!!!
僕は、この際一目でも転校生の顔を見ておこうと、群れの中で力一杯背伸びをした。

「あれは・・・!?!?」

顔が見えた。その瞬間、僕の心臓はキュッと縮み爆発した。
信じられない。こんなことが現実にあるんだろうか・・。

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