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金木犀と悪魔な執事
第10章 近づく距離、遠くなっていく距離



「っ……ごめんね、ケガはないかな?」



月はしゃがみ込むと

男の子に目線を合わせて謝る



男の子は月に対しこくんと頷くが

泣き止む様子は無かった



『って、月、洋服が!!』


七織さんに指摘されて洋服を見ると

ソフトクリームが

べっとりくっついていた



ーー私のせいで、男の子の

ソフトクリームが……!!



月は肩掛けの小さなカバンから

棒付きのアメを数個取り出す



「お姉ちゃんのお洋服が、

僕のソフトクリームを

食べちゃってごめんね。


これ、僕にプレゼントするから、

お姉ちゃんの事、許してくれるかな?」




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