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金木犀と悪魔な執事
第10章 近づく距離、遠くなっていく距離



ガシッと肩と膝を掴まれ

体がふわっと浮く



「七織さん!?」


月は息を切らしている様子の七織に

お姫様抱っこをされ、

足早に近くのお店の中へと

連れていかれた



店の中に入ると、七織は店員さんに


『お願いします』


と言うと月を店の試着室の中に運び、

おろすと、月の頬を両手で包む




『月、遅くなっちゃってごめんな。

泣かせちゃったな』




ーーーチュッ…


七織は月の流れてくる涙、ひとつぶずつ

キスをして舐めていく




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