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金木犀と悪魔な執事
第2章 知らなかった本当の自分



ーーーー執事の話を聞いた直後ーーーー



私は呆然として話を聞いていた


本当に私はお嬢様なんだ…


ぼうっとしていた私の右手を

黒髪の執事が優しく包んだ


『月お嬢様、

自己紹介が遅れてしまいました、

申し訳ございません。


私の名は、一色 怜(いっしき れい)

と申します。』


怜と名乗った執事は

跪いたまま深く一礼し

私の手の甲に口付けた


「ーーひゃっ!」


口付けられると思わなかった私は

変な声を出して手を引っ込めた

顔が瞬時に赤くなった


いつの間にか怜の隣に移動してきた

2人の執事が同じく跪き

白髪の執事が私の右手を取る


『俺の名前は、

神田 優人(かんだ ゆうと)だ。

以後お見知りおきを』


ーーーチュッ


怜と同様に手の甲にキス


『僕は、九条 乃亜(くじょう のあ)

よろしくね月お嬢様』


ーーーチュッ


ほかの2人より

可愛い笑顔を浮かべながら

やはり手の甲にキスをした


一瞬ではあったけど、

手の甲にキスされた…

なんて思い出したら

どんどん顔が赤くなってきた



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