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花屋のあの人
第2章 第2章 2.友人のお誘い
「花言葉、ですか?」

そんなこと考えたこともなかった。花言葉というものがそれぞれにあることは知っていた。
それでも、どの花にどんなものがついているのかは知らない。

「すみません、知らないです」

と、斎は正直に答え瑞樹へと問いかけるように視線を送る。
そんな斎に頷き、瑞樹は差し出していた赤いアネモネの他に白と紫のアネモネを手に取った。

「アネモネは色によって花言葉が違うんです。」

そう言って瑞樹は斎へと三本のアネモネを手渡す。

「そう、なんですね」

初めて聞いた事実に素直に驚きながら手渡されたアネモネを受け取り、そっと優しく胸へと抱いた。

「はい。白いアネモネは希望。紫のアネモネはあなたを信じて待つ。そして…」

そこで言葉を切った瑞樹に斎は不思議に思い、そっと表情をうかがうと瑞樹の頬は少し赤く染まっていた。
そんな瑞樹に首をかしげるとそんな斎に気づき、瑞樹は慌てて口を開く。

「そして、斎さんが選んだ赤いアネモネの花言葉は君を愛す、です」

少し染まった頬のまま笑みを浮かべた瑞樹の言葉にかあ、と斎の顔の体温が上がっていくのがわかった。
おそらく、斎の顔は真っ赤だ。

「素敵、ですよね」
「は、はい」

しばらくの沈黙の後、告げられた言葉に斎は何度もうなづいて見せた。
そしてすぐに思い出したように、

「あ、そうだ!ラッピングしますね」
「あ、お願いします」

瑞樹はそう言い斎の方へと手を伸ばしてくる。
一瞬、何事かと思えばすぐに自分に持たされた花のことだとわかり、慌てて手渡した。

「ありがとうございます。少し待っててください」

受け取った花を大事そうに抱え、にっこりと微笑みその場を立ち去る瑞樹を斎はただただ見つめていた。
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