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あいの向こう側
第21章 ぬれたま
バシャバシャ。
どしゃ降りの中を駆ける。
『あー、もうっ』
制服ズボンの裾が濡れる。
バス停に駆け込むと、
俺は傘を畳んだ。
バス停の待合はガランとしている。
早朝5時40分。
『あ~シャツもずぶ濡れ………
ふぁ~あ』
グレーの制服シャツは濡れるとダサくなる。
雑巾みてー。
俺は欠伸をした。
志望校に受かったはいいけれど、
通学にバスで1時間半かかる。
片道、だ。
この始発1本目を逃すと30分後になってしまう。
スマホを取り出した。
母からLINEメッセージが入っている。
〔冷凍庫にチャーハンあるから温めてね〕
今から朝食の準備でもするんだろう。
看護師の母は何かとせっかちだ。
『ズレてるし』
もうバス停にいるのにな。
しかも朝からチャーハンはキツイ。
空を見上げた。
どんより曇った空から大量の雫。
バスが来た。
素早く乗る。
『おはよーさん』
『はよーございまーす』
運転手のオジサンはいつも前を向いたまま呟くように挨拶する。
ちょっと好きだ。
ぶっきらぼうな大人ってのは。
俺はがらんどうのバス内の後部に移動した。
席にリュックサックを置いて、
座る。
どしゃ降りの中を駆ける。
『あー、もうっ』
制服ズボンの裾が濡れる。
バス停に駆け込むと、
俺は傘を畳んだ。
バス停の待合はガランとしている。
早朝5時40分。
『あ~シャツもずぶ濡れ………
ふぁ~あ』
グレーの制服シャツは濡れるとダサくなる。
雑巾みてー。
俺は欠伸をした。
志望校に受かったはいいけれど、
通学にバスで1時間半かかる。
片道、だ。
この始発1本目を逃すと30分後になってしまう。
スマホを取り出した。
母からLINEメッセージが入っている。
〔冷凍庫にチャーハンあるから温めてね〕
今から朝食の準備でもするんだろう。
看護師の母は何かとせっかちだ。
『ズレてるし』
もうバス停にいるのにな。
しかも朝からチャーハンはキツイ。
空を見上げた。
どんより曇った空から大量の雫。
バスが来た。
素早く乗る。
『おはよーさん』
『はよーございまーす』
運転手のオジサンはいつも前を向いたまま呟くように挨拶する。
ちょっと好きだ。
ぶっきらぼうな大人ってのは。
俺はがらんどうのバス内の後部に移動した。
席にリュックサックを置いて、
座る。