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あいの向こう側
第21章 ぬれたま
_____『うーーーん。
うーーー……………んん?あ、わかった』

予備校から帰宅した。

玄関ドアを開くと、
昼間分からないままにしていた関数値がパッと解けた。


よくあるんだ、閃いたように解けることが。


ニャアンと花田くん(飼い猫)が足元にすり寄ってきた。


花田くんを抱えてリビングに向かう。


母親が作り置きした夕飯をレンジに入れた。


ミルクを取り出して花田くんに飲ませる。





ピロンピロンとLINE音が鳴る。

グループLINEはクラスの奴らだったり予備校で知り合った他校生と絡んでるけれど、
俺は気が向いた時にしか返さない。

既読無視にするからいつも「お前って付き合い悪い」「スカしたやつ」と嫌な顔をされてしまう。




なら最初から絡まなきゃいーのに。



LINE画面を見ながら、
(帰りはいなかったなぁ………………)
と山倉まいを想う。




俺は捻くれてる。

自覚のあるひねくれだから、
厄介なもんだ。



ひねくれでも思う。

つうか分かる。


認めたくはないが、
これは恋愛感情だ。



____白米をついで、
チンした煮物と食べる。


花田くんに煮物に入っているちりめんじゃこをやると、
『フニャアン』と走ってきて食らい付く。




『お前は素直でいいよね』
つい、ネコに話しかけてしまう。



夜10時半。



母さんは夜勤続きらしい。



____俺は食器を片すと部屋に入ってベッドに寝転んだ。




(……………………………あ~ダメだ)

制服ズボンを下ろして、
シコる。



山倉まい。


彼女の陶器のような頬と水に透けた制服が浮かぶ。



『………………ん、くっ…………!』
大量の液を放出し、
俺は着替えてシャワーを浴び眠りについた。




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