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あいの向こう側
第23章 か・わ・い・そ・う
薄れてゆく意識。
ジンと痺れるような。
『な……………に…………すっ…………』
息ができない!
空中を掻く白い手。
『このガキ、つけ上がりやがって…………!』
男の力は強い。
____ママの笑顔。
ポータブルトイレの悪臭。悪くなっていく麻痺。
冷凍食品を温めて一人で食べるわたし。
呑気な同級生たち。
便りだけ届けて、
援助もないおばさん。
(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)
自分を無理やり納得させる呪文。
可哀想だよ。
______わたしが一番……………
『……………………マ…………マ…………た、』
タスケテという言葉は、
男の激しい怒りに潰れてゆく。
実雪に戻れたのは一瞬のことで、
サナと一緒に消えてしまう。
最後に白い天井が見えた気がした。
〔終〕
ジンと痺れるような。
『な……………に…………すっ…………』
息ができない!
空中を掻く白い手。
『このガキ、つけ上がりやがって…………!』
男の力は強い。
____ママの笑顔。
ポータブルトイレの悪臭。悪くなっていく麻痺。
冷凍食品を温めて一人で食べるわたし。
呑気な同級生たち。
便りだけ届けて、
援助もないおばさん。
(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)(仕方ない)
自分を無理やり納得させる呪文。
可哀想だよ。
______わたしが一番……………
『……………………マ…………マ…………た、』
タスケテという言葉は、
男の激しい怒りに潰れてゆく。
実雪に戻れたのは一瞬のことで、
サナと一緒に消えてしまう。
最後に白い天井が見えた気がした。
〔終〕