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あいの向こう側
第25章 すきまかぜ
男が服を着る間に退室する。


あくまで私は女王様でなければならない。
『鍛えて出直しなさい!』

去り際に気高く叫ぶ。



狭い廊下を進み、
角を曲がると部屋がある。


引き戸のレバーを引く。


ロッカールームである。



他の【女王様】たちと鉢合わせないよう、
オーナーが時間をずらして調整していた。


私は仮面を取ると、
ハーッと息を吐いた。


少々すっきりした。

【女王様】になるにはやる気も必要なのだ。


始めて半年。


ストレス解消になるくらいには、
【女王様】になり切れていた。



コートを着てバッグを持つ。

ロッカールームにある姿見に映る自分は、
どこからどう見ても30歳過ぎの平凡な女だ。




帰路につく。




空きビルを利用したSM専門ヘルス。

コンクリートのひび割れもそのままで、
廃墟のような雰囲気。


きちんとオーナーが監視カメラでチェックしているから、
怪しい客もない。



私はスタスタ歩いた。


辺りは暗くなっており、
風が冷たい。


バスに乗る。

停留所を7つ過ぎ、
【宮田】という表札の戸建てに入る。


____我が家だ。



『あ、ママだっ……』
リビングから娘2人の焦った声がした。


『ん-?!た・だ・い・ま~??
何を隠したのかなー?』
小学校6年と3年の娘。

2人は宿題などしてなかったのだろう。

『えー、宿題の~、分かんないとこ!』
下の娘が誤魔化す。


『そうそう、教えてたの!』
上の娘が被せるようにフォローした。


私は苦笑し、
『さー、夕飯にするから待ってね』
とバッグを仕舞いに自室に移動した。





ハンバーグを焼く。
付け合わせにブロッコリーと人参のソテー。
コンソメスープ。
ご飯をよそおうとすると、
『あ、ママだめ!ダイエットするっつったじゃん』
と上の娘が止めた。

『ああ、そうだったわね?
でも全然お米を摂らないのはその方がだめなのよ?
炭水化物も少しは必要よ』
私が説き伏せる。
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