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あいの向こう側
第25章 すきまかぜ
しかし娘は、
『いいの!あとは、寝るだけだもん。
必要ないんだってば』
と軽くスルーした。
私はしゃもじのお米を炊飯器に戻す。
冷凍にして、
残りは旦那の夜食だわ。
そう決める。
娘たちは仲が良い。
少々反抗期のふしがあるが、
見たところは問題視するほどじゃない。
すらりと伸びた四肢。
黒く艶光した髪。
美しく成長してゆく娘たちに、
喜びもあるが不安もある。
11時を過ぎて旦那が帰宅した。
『ただいま~…………』
『おかえりなさーい』
私はパジャマ姿で迎えた。
『亜実と瑠実は?
寝た?』ネクタイを外しながら問う旦那は、
大手メーカー勤務の技術者だ。
『寝てないでしょうよ(笑)
DSかLINEでもしてるわよ、まだ』
私は2階を見上げる。
『そうか…………』
旦那とすれ違う。
瞬間、ふんわりと石けんの匂いが微かにした。
私は片眉を上げた。
(____またなの……………)
相手は総務の事務員だろう。
私が旦那と出逢った5年後に入社してきた。
私は旦那と付き合い直ぐ入籍し、
退職した。
メーカーには同期がいる。
情報は入っているのだ。
だけど、
そんな事に目くじらを立てるほど私も稚拙じゃない。
浮気というのは風邪のようなもので、
男は意外と社会的な体裁を重んじる。
旦那も一番には家庭と会社という男だった。
歯ぎしりをして眠れない夜もあったけど。
亜実と瑠実には知られたくないし、
私は気づいても知らん顔を決め込んだ。
____その代わり、
SMクラブに登録した。
ほんの気晴らし。
ハマるほどではないし、
嫌々でもない。
ストレス解消剤だ。
(明日……………、
明日は2人客を取ろう)
そう決めて眠りにつく。
旦那はイビキをかいて悠長に眠っていた。
『いいの!あとは、寝るだけだもん。
必要ないんだってば』
と軽くスルーした。
私はしゃもじのお米を炊飯器に戻す。
冷凍にして、
残りは旦那の夜食だわ。
そう決める。
娘たちは仲が良い。
少々反抗期のふしがあるが、
見たところは問題視するほどじゃない。
すらりと伸びた四肢。
黒く艶光した髪。
美しく成長してゆく娘たちに、
喜びもあるが不安もある。
11時を過ぎて旦那が帰宅した。
『ただいま~…………』
『おかえりなさーい』
私はパジャマ姿で迎えた。
『亜実と瑠実は?
寝た?』ネクタイを外しながら問う旦那は、
大手メーカー勤務の技術者だ。
『寝てないでしょうよ(笑)
DSかLINEでもしてるわよ、まだ』
私は2階を見上げる。
『そうか…………』
旦那とすれ違う。
瞬間、ふんわりと石けんの匂いが微かにした。
私は片眉を上げた。
(____またなの……………)
相手は総務の事務員だろう。
私が旦那と出逢った5年後に入社してきた。
私は旦那と付き合い直ぐ入籍し、
退職した。
メーカーには同期がいる。
情報は入っているのだ。
だけど、
そんな事に目くじらを立てるほど私も稚拙じゃない。
浮気というのは風邪のようなもので、
男は意外と社会的な体裁を重んじる。
旦那も一番には家庭と会社という男だった。
歯ぎしりをして眠れない夜もあったけど。
亜実と瑠実には知られたくないし、
私は気づいても知らん顔を決め込んだ。
____その代わり、
SMクラブに登録した。
ほんの気晴らし。
ハマるほどではないし、
嫌々でもない。
ストレス解消剤だ。
(明日……………、
明日は2人客を取ろう)
そう決めて眠りにつく。
旦那はイビキをかいて悠長に眠っていた。