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あいの向こう側
第4章 あの日の続き
砂利道があり、
川の流れ…水の音がする。
この地点から川下に向かうと谷になっていた。
真っ暗だ。
虫と、鳥の啼き声。
奈美は川沿いまで近づき、浅瀬に脚をそのまま浸す。
祐二が『懐中電灯、
あったから』
と携帯用の小さな電灯を持っていた。
奈美は水の冷たさを不快に感じながら、
水に慣れるように浸したままにする。
一歩足を上げるとバランスを崩した。
『きゃっ……』
尻餅を着いてしまった。
拍子に、
『………痛い………
う……うぇっ………』
涙が出る。
祐二がしゃがんで奈美の肩を抱えた。
『大丈夫か、立てるか?』
『………う……えっ、
ひっ……』嗚咽に変わる。
『祐二、
怖いよ〜〜〜………
手術しても残ってたらどうなるの?』祐二の服を掴む。
『どうなるの?
怖いよ、
何でよう……何でなのよ…』言い出したら止まらなくなった。
『何でなのよー!
何で私がフラれなきゃならないの、
何でせっかく就職しに都会に行ったのにまた戻ってきてんの、
何で悪性のポリープなんてできるのよう』
祐二を叩く。
祐二は黙っている。
『何とか言いなさいよっ、木偶の坊、
朴念仁、変態ムッツリバカ男ー』
八つ当たりと分かっていながら感情的になるのを自制出来なかった。
川の流れ…水の音がする。
この地点から川下に向かうと谷になっていた。
真っ暗だ。
虫と、鳥の啼き声。
奈美は川沿いまで近づき、浅瀬に脚をそのまま浸す。
祐二が『懐中電灯、
あったから』
と携帯用の小さな電灯を持っていた。
奈美は水の冷たさを不快に感じながら、
水に慣れるように浸したままにする。
一歩足を上げるとバランスを崩した。
『きゃっ……』
尻餅を着いてしまった。
拍子に、
『………痛い………
う……うぇっ………』
涙が出る。
祐二がしゃがんで奈美の肩を抱えた。
『大丈夫か、立てるか?』
『………う……えっ、
ひっ……』嗚咽に変わる。
『祐二、
怖いよ〜〜〜………
手術しても残ってたらどうなるの?』祐二の服を掴む。
『どうなるの?
怖いよ、
何でよう……何でなのよ…』言い出したら止まらなくなった。
『何でなのよー!
何で私がフラれなきゃならないの、
何でせっかく就職しに都会に行ったのにまた戻ってきてんの、
何で悪性のポリープなんてできるのよう』
祐二を叩く。
祐二は黙っている。
『何とか言いなさいよっ、木偶の坊、
朴念仁、変態ムッツリバカ男ー』
八つ当たりと分かっていながら感情的になるのを自制出来なかった。