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あいの向こう側
第5章 ひとつぶのセンチメンタル
親戚たちが増え、
近所の人も弔問に訪れた。

通夜は今夜。
葬儀は明日午前中に、
最寄りの斎場にて執り行われる。



わたしは今夜のうちに…………
と父の部屋に入った。


生家は古い平屋建ての一軒家だ。


部屋数は4つ。



父の部屋といっても、
箪笥と寝床のみ。


他は今は弟夫婦が使っている。
子どもも作る予定なのだろう。



片付けをしようと思って入ったものの、
物を元々持たない父の部屋はがらんとしている。


わたしは箪笥を引いた。


下着、
スラックス。
靴下………

父の衣服を見て回る。

数本のネクタイ。
ハンカチ。



―――――匂いがする。

汗臭いような、
タバコ臭いような。
ツンと鼻を突くのに慣れると離れ難いような。


わたしは思わずハンカチを手に取り、
自分の鼻に押しあてた。



わたしは中学生のころ、
登校拒否をしたことがある。
「母親が男を作って出て行った」
クラスメイトからからかわれて登校するのが面倒になったのだ。

友達が味方になってくれたが、
それでも一時期心底人目に晒されたくなかった。
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