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あいの向こう側
第5章 ひとつぶのセンチメンタル
寡黙で淡々としていた父は、

わたしが登校しなくなって1週間目の週末………



『遊びに行こうか』
とわたしを連れ出した。


ディパックにハンカチとティッシュと飲み物を入れて、
父はわたしを連れて鈍行電車で岡山県へ向かった。


なぜ岡山県だったのかは覚えていない。


海が見える公園で、
父とわたしは離れて歩いた。

中学生の女性徒には男親と一緒に居ることが恥ずかしかったのだ。


離れて歩いていると、
警察官に『お嬢さん、
1人?』
と訊かれた。

父は慌ててわたしの手を掴み『娘です、
すみません、事情があって……』
と言い訳のように説明した。


警察官が納得したかどうかは分からないが、

父とは再び距離を取りながらしばらく歩き続けた。




『姉さん』

弟の声にビクリとした。


『あ…。片付けしようと思ったのよ。
でも、物は無いわねぇ』
わたしはハンカチを隠した。


『山に入って倒れてたって…………
堪んないよ、突然……
叔母さんに直ぐ連絡したらパニックでさ。
紀子が走り回っていたけれど』

弟は混乱からだろう…愚痴をこぼす。

『………斎場での挨拶考えなきゃな……』
自分の役割でいっぱいいっぱいのようだ。


礼服を着た弟は、
疲れた背中を向け出ていく。
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