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あいの向こう側
第5章 ひとつぶのセンチメンタル
わたしはめまいがした。


あの子は何故〔それ〕を知っているのだろう?


〔岡山で奪った〕あれを………?


埋めに行った?
父が?


何も言わなかったあの父が?


わたしは耳鳴りがして頭を抑えた。



女子中学生を探しに台所を出る。

居間・洋間・台所、風呂場……………………………………

ばたばたと家中を探すと、紀子と出会い頭にぶつかり『ぎゃっ!』と尻餅をついた。


『す、すみませんお義姉さん!
大丈夫ですか?』


『………ごめんなさい…………
ねぇ、あの中学生はどこ?』
紀子の肩を掴む。


『ちゅ、中学生?』


『親戚の中に居なかった?セーラー服を着た、
大人しそうな子…』


紀子は首を傾げて、
『中学生はいないですねぇ……
幼稚園生が3人居ましたけど』
と不思議そうな顔をした。





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