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intimidation love
第2章 保健室での秘め事

先輩のが手首が赤くなっていない事にほっとしながら、腕の拘束を解く。
すると先輩は私を押し退けるようにして体を起こした後、ベルトを奪い取った。
無言でそれを締め直す先輩は、私が笑顔で話し掛けても無視を決め込んでいた。
「次も、呼び出した時はちゃんと来て下さいね」
一切こちらに振り返る事なく保健室から出て行く先輩を、にこやかに見送る。
貼り付けたような笑みを浮かべている自分が気持ち悪い。
きっと先輩は、それ以上に気味が悪いと思っているだろう。
ベッドに仰向けに寝転がりただぼうっと天井を眺めているだけなのに、いつの間にか目尻に溜まっていた涙が勝手に流れ出す。
私の脅しに、先輩が動揺している様子はない。
でも、先輩の眼差しは確実に私を嫌悪の目で見ていた。
あんな風に歪んだ表情も、初めて見た。
自分がそうさせたのだと思うと嬉しく感じる反面、同時に心臓が締め付けられるような痛みに襲われた。
好きな相手に嫌われる為に近付くなんて、正気の沙汰ではない。
もっと他に方法があったのではないかと、今になって後悔し始めたところで既に遅いのに。
嫌われる事で先輩の意識が少しでも自分に向いてくれるならそれでも構わないと、そう決意していた筈の意思があっさりと揺らぎ始めている。
この関係が終わった時、私にはきっと何も残らない。
懐かしむような思い出になんて、どうやったって変えられない。
…どうして、こんな形でも関わりたいだなんて思ってしまったのだろう。
すると先輩は私を押し退けるようにして体を起こした後、ベルトを奪い取った。
無言でそれを締め直す先輩は、私が笑顔で話し掛けても無視を決め込んでいた。
「次も、呼び出した時はちゃんと来て下さいね」
一切こちらに振り返る事なく保健室から出て行く先輩を、にこやかに見送る。
貼り付けたような笑みを浮かべている自分が気持ち悪い。
きっと先輩は、それ以上に気味が悪いと思っているだろう。
ベッドに仰向けに寝転がりただぼうっと天井を眺めているだけなのに、いつの間にか目尻に溜まっていた涙が勝手に流れ出す。
私の脅しに、先輩が動揺している様子はない。
でも、先輩の眼差しは確実に私を嫌悪の目で見ていた。
あんな風に歪んだ表情も、初めて見た。
自分がそうさせたのだと思うと嬉しく感じる反面、同時に心臓が締め付けられるような痛みに襲われた。
好きな相手に嫌われる為に近付くなんて、正気の沙汰ではない。
もっと他に方法があったのではないかと、今になって後悔し始めたところで既に遅いのに。
嫌われる事で先輩の意識が少しでも自分に向いてくれるならそれでも構わないと、そう決意していた筈の意思があっさりと揺らぎ始めている。
この関係が終わった時、私にはきっと何も残らない。
懐かしむような思い出になんて、どうやったって変えられない。
…どうして、こんな形でも関わりたいだなんて思ってしまったのだろう。

