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intimidation love
第3章 吉野と一葉

「あ、そうだ!」
何かを思い出したように、先輩は大きな声を出し私を指差した。
「君、嘘ついたでしょ俺に」
「…嘘?」
「名前、本当は違うんだよね?」
どういう事だと、私は小さく首を傾げた。
「君と同じ二年の子に聞いたんだ。ヨシノって子居るかって聞いたら、君じゃなくて違う男子が俺の所に来たんだけど」
「…え」
「酷いよね、偽名使うとかさ。俺傷付いたんだけど」
そう言う先輩は、全然傷付いているように見えない。
どちらが嘘つきなのだと、思わず問いたくなる。
そもそも、私は嘘なんてついていない。
「…偽名じゃありませんけど」
「いやいや、二年でヨシノって苗字の生徒はその男子しか居ないって言われたんだけど」
「私、苗字だって言いました?」
「言ってたよ」
「…そうでしたっけ?」
「俺がそれ苗字じゃんって言った時、否定しなかったでしょ」
「…でも、そうですとも言ってませんよね?先輩が勝手に勘違いしたんですよ」
「…そうなの?」
妙な沈黙が私達を包んだ。
同じ学校なのだから、偽名なんて使ったところで意味なんてないだろう。
調べればすぐにわかるような事なのに、いちいち嘘なんてついたりしない。
「…苗字じゃなくて、名前です」
「でも、さも苗字っぽく言ってたじゃん」
「…それ、先輩の思い込みですから」
「えー、何それ」
子供みたいに唇を尖らせ拗ねる先輩に、つい笑ってしまいそうになるのを堪える。
「じゃあ、とりあえず名前はヨシノちゃんで合ってるの?」
「合ってますけど…どうでも良くないですか私の名前なんて」
「確かに、どうでもいっかそんな事」
さらりと酷い事を言う先輩は、私が思っていたよりもずっと毒舌な人間だ。
先輩のそんな一面を知る事が出来た私は、ある意味ラッキーなのかもしれない。
それが、嬉しいか嬉しくないかは置いといて。
何かを思い出したように、先輩は大きな声を出し私を指差した。
「君、嘘ついたでしょ俺に」
「…嘘?」
「名前、本当は違うんだよね?」
どういう事だと、私は小さく首を傾げた。
「君と同じ二年の子に聞いたんだ。ヨシノって子居るかって聞いたら、君じゃなくて違う男子が俺の所に来たんだけど」
「…え」
「酷いよね、偽名使うとかさ。俺傷付いたんだけど」
そう言う先輩は、全然傷付いているように見えない。
どちらが嘘つきなのだと、思わず問いたくなる。
そもそも、私は嘘なんてついていない。
「…偽名じゃありませんけど」
「いやいや、二年でヨシノって苗字の生徒はその男子しか居ないって言われたんだけど」
「私、苗字だって言いました?」
「言ってたよ」
「…そうでしたっけ?」
「俺がそれ苗字じゃんって言った時、否定しなかったでしょ」
「…でも、そうですとも言ってませんよね?先輩が勝手に勘違いしたんですよ」
「…そうなの?」
妙な沈黙が私達を包んだ。
同じ学校なのだから、偽名なんて使ったところで意味なんてないだろう。
調べればすぐにわかるような事なのに、いちいち嘘なんてついたりしない。
「…苗字じゃなくて、名前です」
「でも、さも苗字っぽく言ってたじゃん」
「…それ、先輩の思い込みですから」
「えー、何それ」
子供みたいに唇を尖らせ拗ねる先輩に、つい笑ってしまいそうになるのを堪える。
「じゃあ、とりあえず名前はヨシノちゃんで合ってるの?」
「合ってますけど…どうでも良くないですか私の名前なんて」
「確かに、どうでもいっかそんな事」
さらりと酷い事を言う先輩は、私が思っていたよりもずっと毒舌な人間だ。
先輩のそんな一面を知る事が出来た私は、ある意味ラッキーなのかもしれない。
それが、嬉しいか嬉しくないかは置いといて。

