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intimidation love
第3章 吉野と一葉
勝手に戻るも何も、私は先輩に無理矢理連れて来られたようなものだ。
いくら口調が柔らかくても、先輩の言っている事は横暴以外の何物でもない。

「…本当に、こういうのやめて欲しいんです。先輩、自分のせいで女の子達が揉めたりしてるのわかってるんですか?私、あんな目に合いたくないです」

「だから?」

「だからとかじゃなくて…」

「あんなの勝手にやらしとけばいいんだよ」

「…自分が原因なのに、よくそんな事言えますね」

振りほどこうとした腕が更に強い力で掴まれ、その痛みに顔をしかめた。

「放して下さい!」

「嫌だよ。何で俺が君の言う事なんて聞かないといけないわけ?あんな虚仮脅しにまだ俺が従うとでも思ってるの。実際、君は何も出来ないのに?」

何も言い返せない私を見下ろす先輩は、憎らしい程に楽しげに笑っていた。

「でも、これでわかったよ。さっき教室で俺を見た時、何で君があんなに嫌そうな顔をしたのか」

そして更にとんでもない事を言い出す先輩に、私は卒倒しそうになった。

「俺と知り合いだって、そんなにばれたくなかったんだね。なら、明日から休み時間になったら毎日会いに行くよ。好き勝手に人の体を弄んでくれた君への仕返しとして」

「なっ…!」

それは、臆病者の私にとってはあまりにダメージの大き過ぎる仕返しだった。
まるで、死刑宣告を受けた囚人の気分だ。
明らかな動揺を見せる私に、先輩の口元が緩やかに弧を描く。
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