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intimidation love
第3章 吉野と一葉
「その今にも死にそうな顔、超うけるんだけど。傑作」

先輩の美し過ぎる容貌が、今の私には悪魔にしか見えない。
美しい顔をした悪魔のような男が、私を嘲笑っている。

「そんな怯えないでよ。君がそんなに嫌なら、許してあげてもいいよ」

すっかり顔色の悪くなってしまった私の頬を、滑らかな手付きで先輩が撫でた。

「…私は、どうすれば」

「まず、家に帰ったら俺のあの画像はちゃんと消してね。約束出来る?」

「…はい」

今更何の効力も持たないあの画像なんて、保存しておく必要性すらない。
私が頷くと、先輩は満足そうに私の頭を撫でる。

「良い子だね。あとは、君の教室に行かない代わりに昼休みは必ず俺に付き合う事。場所はここでもいいし、人目に付かない場所なら君は別にどこでもいいよね?」

疑問に思う。
画像に関しては理解出来るが、いちいち昼休みに私と会う理由なんて先輩にはない筈だ。

「…どうしてですか?」

「君の事、好きになったからに決まってるでしょ」

さらりと先輩は言う。
いくら気が動転していても、それが嘘だという事くらい私にもわかる。
どうして、平気でそんな嘘をつくのだろう。
私は、知っているのに。

「…先輩、他に好きな人いるんじゃないんですか」

「え?何で」

「好きな人がいるのに…何で私や他の子達に、軽々しく好きだなんて言うんですか」

私は先輩をずっと見て来た。
だから、先輩が自然と目で追っているものにも嫌でも気付いてしまった。

「…先輩は、シオリ先生の事が好きなんじゃないんですか」
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